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コラム

下駄の音色と畳の香り — 城崎の情緒を身にまとい、しののめ荘でまどろむ

カランコロンと石畳に心地よく響く下駄の音、そして宿へ戻った瞬間にふわりと鼻腔をくすぐる畳のい草の香り。城崎温泉での滞在は、五感を優しく刺激し、日常で強張った心と身体をそっとほどいていく旅です。 今回は、温泉街の中心にありながらにぎわいから一本奥に入った、静かな時間が流れる純和風旅館「しののめ荘」を舞台に、浴衣を身にまとい、湯の街を歩き、心地よい静寂の中でまどろむ大人のための贅沢な過ごし方をご紹介します。

【衣】カランコロンと下駄を鳴らし、城崎の情緒を身にまとう

城崎温泉に到着して「しののめ荘」に荷物を預けたら、日常の衣服を脱ぎ捨てて浴衣に着替えることから旅が始まります。 宿ではアメニティとして好みの柄の浴衣を選べるほか、女性宿泊客向けに色鮮やかで華やかな「柄浴衣」の貸出サービスも用意されています。お気に入りの一着をまとい、帯をきゅっと結ぶその所作だけで、心は自然と深い旅のモードへと切り替わります。

一歩外へ出れば、そこは柳並木が揺れ、大谿川沿いに行灯(あんどん)のやわらかな灯りがともる幻想的な温泉街です。 しののめ荘は温泉街の中心に位置しているため、徒歩数分で「地蔵湯」や「柳湯」などの外湯へ繰り出せる絶好のロケーションにあります。夜風を肌に感じながら、カランコロンと下駄の音を石畳に響かせて歩く夕涼みは、この地でしか味わえない格別の「衣」の体験です。

【食】但馬牛と蟹の美味に、五感が満たされる夜

湯めぐりで心地よい汗を流し、身体がじんわりと温まった後は、お待ちかねの夕食の時間が待っています。 しののめ荘の夕食には、但馬や城崎の肥沃な大地と日本海が育んだ、地元ならではの旬の海山の幸がふんだんに並びます。

春から秋にかけては、瑞々しい旨味が詰まった「紅ズワイ蟹」や、赤身の旨味と脂のキレが見事に調和する地元の誇り「但馬牛」が食卓を彩ります。また、冬には焼きガニやかにおろし、濃厚なかに味噌といった冬の王様「松葉ガニ」を堪能することができます。 これら贅沢な主役に加え、地元の契約農家から届く新鮮な野菜や、但馬の風土で丁寧に栽培されたお米が皿と皿の間に軽やかな調和を生み出します。客室やお食事処の落ち着いた和の空間で、地酒を傾けながら地の恵みをゆっくりと味わう時間は、心もお腹もこの上ない満ち足りた瞬間へと導いてくれます。

【住】畳の香りと温泉の温もりに包まれ、静かにまどろむ

食事を堪能した後は、しののめ荘が何よりも大切にしている「静けさ」と「温もり」に包まれた館内で、何もしない贅沢をただ味わいましょう。

ロビーから客室へと続く廊下にはガラス床が設えられており、足元越しに中庭の池を優雅に泳ぐ錦鯉の姿を眺めることができます。こうした静かな水景の癒やしが、湯上がりの余韻をさらに深くしてくれます。 客室は畳の香りが心地よい純和風の客室(全18室、最大20畳の広々とした和室も完備)をはじめ、ベッドを備えた和洋室、2022年秋にリニューアルされたプライベートな湯浴みを楽しめる「陶器風呂付き客室」など、多様なニーズに寄り添う空間が整っています。

夜の静寂が深まる頃、館内にある天然温泉の「岩風呂」や、プライベートに利用できる別館の「貸切風呂」(15:00〜23:00)へ。 城崎温泉の湯は美肌効果や保湿性が高く、疲労回復にも良いとされる塩化物泉です。外湯の賑やかさから完全に切り離された静寂のなか、温かいお湯にただ身体を委ねて深呼吸をする。 湯から上がり、涼しい部屋に戻ったら、畳の上に大の字になって横たわる。ほてった身体を畳のひんやりとした感触が優しく鎮め、心地よいまどろみの中へと眠りに落ちていく。これこそが、しののめ荘で過ごす夜の最大の贅沢です。

おわりに ― 湯、町、宿が美しくつながる、大人の湯宿時間

浴衣を身にまとい、下駄を鳴らして温泉街を歩き、但馬の味覚を堪能する。そして最後は、畳の香りと宿の深い静寂の中で、和の安らぎに包まれてまどろみの中へ眠りにつく。 しののめ荘を拠点に過ごす旅は、有名な観光地を忙しく消費するだけの旅ではなく、湯、町、宿がひとつの美しい物語のように繋がり、時間そのものを贅沢に味わうための滞在です。

次の休日は、下駄の音色と畳の香りに包まれて、心と身体をそっと整える大人の城崎ステイに出かけてみませんか。

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